RPG(ロールプレイングゲーム)と言えば、ドラゴンクエスト!
そんな感じで一番に名前が出ても良さそうなくらいの知名度ですよね。
「自分が好きだったものを世に広めたい」そんな堀井雄二さんの思いが込められて製作されたドラゴンクエスト(以下=DQ)についての話をしようと思います。
『人は誰かになれる』
「人生はロールプレイング」と言われてる堀井雄二さんの考えたDQのキャッチコピーの一つです。
なぜこう言ったことを言われているのか?ゲームデザインとは何か?と言うのを見ていきましょう。
ドラゴンクエストができるまで
RPGと言えばDQと言っちゃうのも、日本人に対してRPGを流行らせたからなんですね。
それ以前にもRPGと言うジャンルはあり、「Ultima」や[Wizardry」があってそれらを堀井さんが楽しんで遊んでいたそうです。
システムに感動したものの、目的が与えられておらず普通の人には何をしていいかわからなくてやめていったとか…
作る際に何を大切にしたの?
まず大切にしたのが「話にレールを1本敷いてみよう」と言うことです。
これで、いきなり荒野に投げ出されて自由にしていいよ〜と言われるよりは続けてもらえるだろうと思ったそうです。
その中で、自由に脇道にそれる遊び心も取り入れて「レールの上だけ走れるか!」と言う人にも納得してもらえるように頑張ったりもしました。
そのほかにも
- マニュアルを見なくても遊べる
- 人間くささのあるゲーム
と言うことも気にしていたようで、こちらの記事にも書いているようにパッと置かれた状況で色々試しながら覚えていける。
(テストプレイで、いきなりフィールドからだと城に行かずにゲームオーバーになる等、思いもよらない事があったそうです。)
そんな工夫をされながら作られていったようですね。
「しんでしまうとはなにごとだ」
これも聞いたことがあるんじゃないでしょうか?
堀井雄二さんの本のタイトルにもなった、有名なセリフですよね。
こういった面白味のあるセリフをキャラクター達がいってくれることで、ほのぼのしたところを出していきたかったそうです。
堀井さんが、漫画家志望でライターをしていたりと文章が好きだったのも大きかったのでしょう。
どんな流れで作ったの?
元々は一人で「ポートピア連続殺人事件」などのゲームを作っているゲームデザイナー・プログラマーだったそうです。
ただ、大きい作品となると一人では難しい!
そうして今では有名な話ですが、すぎやまこういちさんに楽曲をお願いできたり、中村幸一さんがディレクターをしたり、鳥山明さんがイラストを描いたり。
こんな大きな作品に仕上がったんですね。
RPGの作り方の簡単な流れですが、
- アイデアを練る…どんなゲームにするのか
- システムを考える…その世界はどんなルールなのか
- マップを描く…どんなマップでどんなシナリオになるのか
- 人々の配置とセリフ…イベントや街の人々の配置
- モンスターデータ…どんなモンスターで、どこで出るのか
- その他のデータ…経験値やアイテムなどのバランス
こういった流れで製作されていったようです。
どういったところに魅力を感じたの?
「おお、さくや(プレイヤー名) ゆうしゃろと のちをひくものよ そなたがくるのを待っておったぞ。」
といった、冒頭でゲームの世界に自分がいる!と言う感覚も、当時にしてみれば新しく感動したのも大きいでしょうね。
こうして、自分の名前がテレビから表示されることが、世界に入ってロールプレイングをしている感覚を与えてくれたのでしょう。
冒頭でも言いました「人は誰かになれる」
ゲームは娯楽、その娯楽が一番楽しめるのは「今と違う別の人生を疑似体験できること」と言う考えがあったからこその魅力だったのでしょうね。
ドラゴンクエストから学べること
こうした何かを流行らせることが出来た流れを見てみると、自分が何かを作り熱中してもらう際に大切なことに気付かされますよね。
1.明確な目的
始まってすぐに王様から聞く「竜王を倒す」これが目的なんだと、すぐに理解できますよね。
しかも外に出たら竜王の城が見えていると言う、明確な目的地。
こうしたはっきりした目標は、モチベーションの維持には欠かせません。
しかも一本道に見えるシナリオの中にも、キャラのセリフやイベントなんかで一本道と感じさせられない工夫もあります。
そこも飽きさせない仕組みになっていますよね。
2.自然なチュートリアル
やることが絞られた状態で始まるので、自然と試していくしかないわけですね。
王様の部屋から出られない…
コマンドが出てきたぞ、よし話してみよう。
宝箱がある、調べてみよう。
など、部屋を出るまでにコマンドの仕組み、城を出るまでにオブジェクトの仕組みなどを理解してるんですね。
無意識のうちに必要な操作やルールを覚えれるようになっています。
3.戦う→強くなる→強い敵と戦う…のゲームサイクル
出たばかりはスライムしかいないので、レベル1でも倒せます。
しかし一気に歩いていくと、容赦無くやられてしまい近場でレベル上げをする必要性を知る。
たとえやられても、ゲームオーバーにはならずに経験値やレベルは残るので挑戦心が芽生える作りになっていますよね。
そして、このおかげで誰でもクリアまで行ける仕組みなんですね。
なので、最初のスライムくらい楽に倒すぞ!と言う意識になり、次のモンスターも楽に倒せるまで強くなろう。
こんな感じで、戦って強くなりゴールドで装備を整えると言うことも覚えていけます。
4.視覚的にわかる仕組み
城を出てすぐに川や山で「そっちにはいけないんだ」と理解できるマップデザイン。
モンスターでも「こいつ硬いんじゃない?」と思わせてくれ、戦い方を考えさせられるデザイン。
こういった仕組みも、直感的に行動できて楽しくなりますよね。
まとめ
ここまでで、重要なことをピックアップすると
- 自分が好きなものを広める際の弱点を知る。
- 幅広く楽しんでもらうために必要なことを考える。
- 熱中できるものを取り入れる。
- やらされている感でなく、やっている感を味合わせる。
- 初めて携わる人にも敬遠されそうな要素は減らす。
こう言ったことに気をつけていけば、自分で何か新しいものを提供しようとした時のヒントになるのではないでしょうか。
一番大事なのは相手の視点に立って、どうやったら面白いかを考えることですよね。
今はほぼ売り切れですが、これにも含まてましたね。